クロスなどお構いなく、当たったと確認するなり彼はライフルに玉――というよりは、ダート(矢)を装填した。
長く黒い銃身。茶色いグリップを肩に載せて、片目を瞑り、狙いを定める。
タキシードにシルクハットをかぶった彼の狙撃というのは、なかなかに様になるスタイルで。
撃った、また当たる。
当たる度に暴れるケルベロスを見て、ロードは舌打ちした。
「クニモトから渡されて使えると思ったんだが、チッ、無駄にデカい図体だ」
ライフルを捨てる。
それを見たクロスはまたバカかお前はといった。
「お前、唯一の勝機を捨てんなよっ。貸せ、俺が使う」
「銃を扱ったこともない奴に渡せるか!なんだ、その俺も出来るみたいな意地を張った姿は」
「銃なんて簡単だ」
「君みたいなのが誤射をし、仲間にダメージを与える典型だ。やめておけ、第一、もう玉切れだ」
「はっ、使えねーなお前!」


