「クロス、今こそ必殺技っ。クライングナッコォォォを使うときです!」
「知りません、んな技っ!」
機嫌上々な姫は、盛り下がりを知らなかった。
「クロス、これは誇り高いことですよ。神話と戦えるなんて。数多の騎士がやりたくてもやれなかったことです」
「騎士とか言いながら、さっきの必殺技、思いっきりパンチ系でしたけどっ」
「ドラゴンスレイヤーならぬ、ワンチャンキラーの称号があなたにっ」
「不名誉すぎますっ」
「む、クロスはやる気ではないらしいですね。仕方がない、では私が」
「それはダメです!」
シャドーボクシングをしながら行こうとする姫を止める。
いくら誇り高い戦いだろうとも危険はつきものだ。
――故に、だろう。


