「ケルベロス。そなたの相手はこやつだ」
クロスにとっての死の宣告をした。
「うそだろ、おい……」
怖じ気づくのも無理ない。剣を投げ出さず、逃げなかっただけでもクロスを賞賛するべきだろう。
巨体というだけで、死の危険があるというのに、犬ときた。
補食するための爪と牙を持ち、知能がある獣。
鎖で繋がれてなければ、クロスごと――いや、地面ごと丸呑みにされていただろう。
「さすがは……ラグナロク。こんなモノを飼っていたとは」
「ほほ、飼っているわけではない。“拾った”のだ。ちょっとした主従関係を結んでおる。まあもっとも、完璧なる服従をさせたわけでないからな、ああして鎖で繋いでおる」
「………」
「ひ、姫」


