『――』
ガウッ、ガウッ、と鼻息混じりの声をあげて、犬は前に進むが――やはりは鎖がアレを縛っている。
大聖堂からその巨体が出た、というだけで怪物はそれ以上、表に“出られなかった”。
巨体な怪物。
それだけでも小さな人間を怯えさせることが可能というのに、なおもアレは人々を恐怖させたいのか最悪な姿をしていた。
――腐敗している。
犬の肩部分。切られたのか、肉がえぐられた肩部分は放置された肉となっていた。
赤と黒の断面図。
でも、違和感だらけの傷だった。
何よりも、その違和感は犬の頭を見た瞬間からあった。
肩幅が異様に長い。一つの頭に対して、肩幅がそれと同等の長さを持っていたのが不自然だった。左右とも同じく無駄な長さがあり。


