彼は姫が信じてくれるならば、何でもできると思っていた。
「――あなたという人は」
まったく、と言う感じで姫はクロスの剣の柄に触れた。クロスの腰にある剣だ、それに触れる姫の距離はぐっと近い。
「あ、あのっ」
「勝ってください。信じています」
「――、はい」
偉大なる人が触った誇り高い剣を、クロスが抜く。
掲げはしていないが、剣を抜いた彼の表情は引き締まり、剣同等に誉れたかい剣士となっていた。
「ほほ、やはりはそなたの下僕。とてもいい男ではないか」
「クロスは下僕なんかじゃありませんよ。私が信頼する大切な人だ」
「妬けるな、余もそなたに信頼される存在となりたいのぅ」
「おや、おかしなことを。クロスほどではありませんが、あなたも私の大切なお友達だ。少々、難ある人ですがね」


