自分が通った道をそれて、彼女はバラに触れていた。
「……………、うっ」
「な、姫!」
バラに触れるなり、胸元を押さえてよろめく彼女。すぐさまクロスがかけつけ、倒れそうな体を支えた。
「どうしたんですか!姫、姫!」
「や、やられました。レインボーのバラがあったものでつい珍しさから……」
確かに姫が触ったバラはレインボー。花びら一枚一枚が違う。ただ色が毒々しい色ばかりで。
「ま、まさか毒が……!」
「不覚、です。体力が下がるだけでなく、レベルまで下がる呪いまでかかっていました。……ああ、このままでは、カエルになってしまう」
「カエル!?なっ、バラに触っただけで、そんなっ!」
「呪いをとかなければ私はそうなります。もしもカエルになったら、水槽で飼って下さいね。餌は今まで通り、ロードの手料理で………がくっ」


