「『彼は必ず来てくれるから、ここで待たせて下さい』、と」
「っ……」
それが、栂にはどう見えたか。
クロスに向けた銃まで下がり、よろよろと動揺しまくる様子。
手を額に起き、前髪をたくしあげるような状態で止まる。
「ああ、俺は……彼女が怪我をし、弱っているというのに、のうのうとこんな仕事を……!」
男が己で荷台に乗せたバラたちを蹴飛ばした。
派手な音をたてて、荷台は横転する。
「くそ、くそが……!彼女が俺を待っているのに、一番そばにいなきゃいけない時に俺はっ」
「嘆くよりもまず、待つ人のもとへ行ってください」
錯乱しそうになる男に、姫の淡々とした声が届いた。
正常な姿勢に戻り、姫の言葉がもっともだと理解したらしく男は頷いて。


