「ええ、よく分かりましたよ。私たちをあなたは見逃してくれない、と」
「それは少し訂正があるな。最初に言っただろう?あのエセウサギ次第だって。
君は特に嫌ってはいない。殺す価値ある人材だが、エセウサギ次第では君は無傷で見逃してあげるよ」
にっこり、と見逃すと吐く悪魔。
クロス次第でと男は言った。ならばここは、姫を大切に思うクロスが何でもやるとした心境になり。
「エセウサギ、耳を切れ。自分の手でね」
そこについた要求。
栂はそれが見たいとクロスに言った。
耳を切る。
最初、クロスがこの世界に来たときにそうしたいと思ったりもしたが――神経が繋がっている耳を改めて切れと突きつけられると、かすかに渋りが出てきた。


