姫様とウサ耳はえた金髪童顔



仮面が剥がれた。
本来の悪魔らしい表情は、嫉妬に狂った男のモノ。


イラつき、はらわたが煮えくり返っているなどあの姿だけで分かった。


ウサギだから殺したい。ではなく、彼女と似たものをつけた奴を殺したい。


愛する人が身につけているものを、他人が持っている。自分は持っていないのに、他人が所持している。――それが、栂句琉希にとっての怒りの要因。


歪んだ愛を持つ、異常者の思考だった。


「……ああ、だから俺はあのエセウサギを殺したいんだ。分かったかな、アリスさん」


改まった男は、また同じように春風の笑みを顔に貼り付けていた。


明らかな不自然さがある、怒り狂ったと思えば、今は穏やかな青年。狂った思考に相応しく、情緒不安定らしい。


愛おしい彼女とすれ違っていると言ったが、それも混じっているのかと姫は軽く思い――ならばこの人は、確実に殺人を犯すのだろうと決定づけた。