「すみませんね。私、“自分の死は鈍感”なんですよ」
「そう。なら、他人の死には敏感なのか。まあ、別にどうでもいいけど。聞きたいことは何?君は特に嫌ってないから答えるよ」
「嫌ってないのに殺すのですね」
「ただ殺す価値がある人材だよ、君は。見た感じ――いや、見ただけであのエセウサギの大切な人だと分かったからね」
男の笑みがクロスに向く。
そのまま挨拶でもしそうなほどの雰囲気だが、そんな気持ちにはなれないし、クロスは男のように落ち着いてもいられなかった。
もっとも、姫は違う。流石に笑ってはいないが、自分の死には鈍感と自称した人は取り乱したりはしていない。
「では、質問を変えます。白ウサギにとっての大切な人、だから私は殺す価値ある人材のくだりのわけを詳しく教えてもらいたい」
「君を殺せばあのエセウサギは失意のどん底に落ちる。――最初はただ、こそこそ隠れている奴がいるからおびき出したいだけだったんだけど」


