「因みに、今その彼女さんとの接点は何かありますか」
「彼女が今いる住所をつきとめて会いに行っているよ。ただ、彼女、役柄変更が多いらしくて、長い期間同じ住まいにいることはないけど」
「彼女さんからあなたに会いにくるようなことは?」
「ない、かな。彼女は俺の気持ちを知っているんだ。俺から愛してあげたいという気持ちを。だから彼女はいつも“待つ方”でいてくれる。
俺はその期待に応えて、毎日のように彼女を探しに行っているんだ。あ、きちんとトランプ兵の仕事もしてね」
「そうですかぁ。お幸せそうで何よりだ」
彼についての真相が分かった姫のできることは、当たり障りなく応えるようにするだけだった。
本当に幸せだろう、彼は。自分を愛してくれていない彼女が、自分を愛していると思い込んでいるのは。


