少年たちの時と同じようにして、クロスたちは様子をうかがう。
てっきり作業しているからトランプ兵――トランプカードのゼッケンをつけた軍服の奴がいるのかと思ったが、その男は違った。
真っ黒の燕尾服。
長身で細身たる男にはよく似合う服だった。
力作業には不向きな服と思っても、男はさほど気にせずに作業を進めていた。
「姫、どうしますか。また戻ります?」
「悩むところですねぇ。服装が違うからトランプ兵ではないと思うのですが……。このまま戻ってもまた迷うだけでしょうし、決めました。私が道を聞いてきます」
「私がって、ダメですっ。ヤバい奴だったらどうするんですか」
「それだったら、尚更プリティーなウサギが出るのは危険です」


