黙ってクロスたちが見ていた結果。
「大丈夫ですね、あいつらは」
「ええ、微笑ましい光景だ。私もつい見入ってしまいました」
「……足蹴にされている方、今ので力尽きたんじゃないんですか」
「ケンカするほど仲が良いと言いますし、そっとしておきましょう。来た道の最中に、もう一つ道があったのでそこから進みましょうか」
若者たちの青春を邪魔しちゃダメだと変な気遣いをする姫に従い、クロスもそこを後にした。
来た道を戻り、まだ行っていない道へ。
真っ赤なバラが多い茂みの道。どこを歩いているかは分からなくとも、進むしかなく何度か行き止まりに当たってしまった。
「んー、さっきの子たちに道を聞けば良かったですかね」
「戻ろうにも、戻る道も忘れたし。そうだ、姫。いっそのこと茂みを切り払いながら進みますか」


