「なるほど。役柄に“縛られている”のでしょうね。門番は中に入ることはあってはならない」


「よく分かんねえが、まあ入れないならどうでもいいなと思ってな、特に何もしていない。

だがな、あんたたちはここを通る。しかもか、運悪いことに一人はウサギときた」


「俺は好きでウサギになったんじゃないっ」


「あー、怒鳴るなよ。どうでもいいだろ、んなこと。大切なのは、ウサギ狩りする異常者がいるってことだ。せいぜい気をつけな。ジョーカーのトランプ兵に会わないことを祈って進めばいい」


「大きなお世話だ。どんな奴がこようとも、俺は彼女を守り、自分の身も守れる」


宣言されたことにアダムは鼻で笑った。


なら頼もしいな、とだけ言い、忠告はこれで終わりだ。