姫様とウサ耳はえた金髪童顔



「ほう、ウサギじゃなくなっていただなんて。一体、何をされてたんですか」


「耳が切られてた。……いや、むしりとったのか。頭からすっげー血ぃ出てたからよく分からないけどな」


くだらなさそうに語るアダムだが、聞いたウサ耳クロスはぞわぁとしたホラー並みの寒気を味わった。


「それはまた……物騒な話ですね。あ、なんならあなたがそのヤバい奴を倒してしまえばいいのではないでしょうか。そんな“分野”お得意そうだ」


「お姫様は何でもご存知で、と……。まあ、退屈していたから俺はあの耳なしウサギ見てその気になったが。

よく分かんねえけど、俺は城ん中に入れないんだわ。門が開いていても、俺が通るとなると見えない壁でもあるみたいに“ぶつかる”」