虎のお葬式のことは、あまり記憶にない。 どうやって行ったのか、 どうやって帰ってきたのか…。 ただ…、 泣くことしかできなかったあたしに 未来が、どこからか持ってきたアメを1粒くれたことだけは、覚えてる。 まるで、 "「泣かないで」" って、言われてるみたいで。 あたしは、未来を強く抱きしめた。 「ありがとう。 ありがとね、未来。 ママ、パパの分まで頑張るからね。 ちゃんと頑張るから…」