校門を右に曲がる。 自然と進む俺の足。 今にも雨が降りそうだった。 道の先に、俺の彼女。 『…居た』 歩きながら涙を拭う礼。 『一人で泣くなよ…。』 「…礼!!」 立ち止まる礼。 そのまま俺の目の前から消えて行きそうで怖かった。 振り向いた礼は、やっぱり泣いていた。 目に涙をいっぱい溜めて 俺の前では泣かないように、って堪えてる。 どうしていいか分からない俺は、 近寄って、優しく抱きしめた。