「だってさ。」

「ふ~ん。おもしろいな。
まぁ~相変わらずと言いますか、平和だな。」

「なにそれ、そういう兄ちゃんは相変わらず冷たい反応。」

「そうか?」

「そんなんだから、彼女できないんだよ。」

「それ…当たってるかも。
で、俺の話は置いといて、話を戻すけど、オトンとオカンは似た者同士なんだろうなぁ。」

「なんで?」

「お互い意地張ってここまで生きて来たんだんだから、素直になんて簡単になれないと思う。
プレゼント選んだオトンも、もらったオカンも、だから『今さら…』なんて言ってたのかも。
あげたコトないし、もらったコトない。
慣れてないのかもしれないなぁ。」

「何に?」

「どんな顔して、渡したらいいのか、もらったらいいのか。
言葉を添えたらいいのか、どう返したらいいのか、とか?

どうせ、オトンもオカンも無愛想なのが想像できる。のが…おもしろいなぁ。

来年、オトンがどうでるのか楽しみだなぁ~。
お前、ちゃんとオトンに付いていけよ。
また、話聞かせてくれよ。」

車を走らせ、見慣れた家の明かりが見えてきた。

そして、家に到着。
玄関をあけて俺は一言そえる。

「ただいま。」

すると、オトンとオカンが二人して、柱の陰から顔を出した。

妹はつぶやく。
「…そんなふうにみえるかなぁ~?」