貴方しか愛せない






その日の晩私は泣いた


信じられない位泣いた


泣いたら忘れられるんじゃないかって


泣いて全部忘れようって


ずっと、ずっと泣いた


親に心配されたくなくて枕で押さえて声を殺しながら泣いた


ずっと、ずっと


先生の事だけを考えながら泣いた


まだ、信じられなくて


受けとめたくなくて


明日になったらまた


「琥珀っ」


って笑顔で呼んでくれると思って


ずっと、ずっと


考えながら泣いた


身体中の水分が全部無くなったんじゃないか


なんて、大袈裟な事を考えながら


泣いた


必死に涙をとめ様とするけど


全然止まってくれなくて


逆に涙は溢れるばかりで…


必死になって涙を止めるのが精一杯だった…