身仕度を整えると宿を出た。
眩い光に目を細め、暖かな日差しを浴び背伸びをする。
ふと、コウガの目に何者かの姿が映った。
揺れる銀色の髪…
色白の肌に赤い瞳…
塀に腰掛け果物を食べるその人物は、とても綺麗で絵になる。
「君は……」
足を止めそう呟くと、その人物はコウガに気づき、ピョンと塀から飛び降りた。
軽やかに着地するとコウガと向き合う。
「昨日は、ありがとう」
「俺は何もしてないよ。それより、怪我は?」
決して目を合わせずにそう言うと頭を下げる。
そんな彼女の身体を心配し訊ねると、驚いたような顔をしていた。
「もう、何とも」
「そっか、良かった」
小さな声でそう言う彼女に微笑むと、何故か彼女はボーっとその笑顔を見つめていた。
不思議に思い、何か?と首を傾げると、ハッとしたのかとっさに俯く。
「貴方と居れば、またあいつに会える気がする。だから――」
目を背けたまま呟くように言う彼女は言葉を止める。
何故なら、彼女に歩み寄ったコウガは右手を差し出していたのだ。
「一緒に旅しよう」
そう言い差し出された右手。
暫くジッと見つめ、その後視線を上げる。
瞳に映ったのは、優しく微笑むコウガの姿。
その笑顔は爽やかで、輝いていて…
見とれてしまいそうになる。
「…いいの?」
赤い瞳に見つめられながら、もちろん。と頷くと彼女の手を取る。
そして、よろしく。と微笑んだ。
彼女の名はクレア・シンク。
サラサラとした銀色の長い髪。
色白の肌に映える赤い瞳。
赤目の死神と呼ばれる彼女は、その名の通り巨大な鎌を持つ。
少し離れた場所から2人を眺めるレオン。
彼女が苦手な様子の彼は、溜息をつきながら乱暴に頭を掻くのだった。

