「クククッ……」
顔を伏せレオン達の会話を聞いていたライアは肩を震わせ笑い出す。
その姿に眉を潜めるコウガ達は武器を手に警戒する。
「フフッ……必要ないよ…そんな心配……」
顔を上げ、乱れた髪をかきあげる彼は口の端を吊り上げ嫌味に笑う。
「だって君達は、僕に触れる事さえ出来ず、今すぐ此処で死ぬのだから!」
意気揚々と声高に言うと、一瞬にして彼の姿は其処から消えた。
そして現れたのはシェイラの後ろ。
ニッと笑うライアは手にするサバイバルナイフを素早く振り上げる。
「!?」
「シェイラ!」
驚くシェイラは振り返る隙もなく、駆け寄るジークは間に合わない。
鋭い刃はシェイラの身体を斬り裂くのみ。
何の迷いも無く獲物を仕留めに向かって行った。
「ん?」
しかし、その刃はシェイラに触れる前に何者かによって弾かれる。
刃を払いのけたのは巨大な大剣。
ライアとシェイラの間に割って入ったそれは流れるようにライアの身に斬りかかる。
「っ……」
瞬時の反応でそれを交わしたライアは一旦身を引き距離をとる。
ポタリと落ちた赤い雫。
彼の肌理細かな白い頬には切り傷が走る。
「…何スティング…君、僕を裏切る気……?」
顔にかかる髪の隙間からギロリと睨むその先には、味方である筈のスティングの姿。
大剣を手にする彼は、紛れもなくライアへと斬りかかった本人だった。

