悪い人達ではなさそうだし、生存者でもある彼等を町に連れ帰る事にしたコウガ達。
捕らえた彼等を立たせ町に戻ろうと足を進めるが、
「あれ、クレアは?」
彼女の居ない事に気づいたコウガ。
辺りを見回すが何処にもその姿はない。
「…彼奴、1人で町に行ってやがる……ん?この臭い…彼奴が追ってるあの男も、其処に居るのか……?」
鼻をひくつかせ臭いを辿るレオン。
血の染み付いた彼女の臭いをキャッチした彼は、彼女の傍に他にも誰か居ると言う。
「ごめん、ちょっと行ってくる」
それを聞いたコウガは胸騒ぎがし、眉を潜めると地を蹴った。
「おいコウガ!ったく彼奴は……」
何も考えず突然走り出したコウガを止めようとするが間に合わず、レオンは乱暴に頭をかく。
「クレアさんの身に危険が及んでいるかもしれないんですね?」
「あぁ、多分。1人で適う相手じゃない。なのに彼奴は……」
「レグル、お嬢様を頼みます」
深刻な問題に悩む中、ジークはシェイラをレグル託す。
クレアが何処かへ行くのを目撃していた彼。
それを止めなかった自分にも責任があると、彼女の元へ加勢に向かうと言う。
レグルにシェイラとレオンを連れて戻れと言うと歩みだす。
しかし、何者かに服の袖を掴まれそれを拒まれた。
「私も行きます」
「お嬢様、しかし……」
振り返ると、強い意志をもつ茶の瞳と目があった。
「彼女が危険な状態ならば、私も居た方がいいはずです。だから……」
袖を握り締め彼を見上げるシェイラ。
一方、彼女を危険な目に合わせたくないジークは眉を潜める。
「行ってこい。彼等を住民に預けたら俺達も直ぐに向かう。だから、早く行け」
レグルに促され、ジークは頷くとシェイラを抱え地を蹴った。
その後ろ姿を見送ると、レオンと共に急いで町へと駆け出すレグル。
一際強い風が吹き、乱暴に木々を揺らす中、羽を休める小鳥達は羽ばたき、まだ散るはずのない青葉が舞う。
それはまるで何か不吉な事が起きる前触れのような、そんな気がして、不安な気持ちが一杯になった。

