泥棒は嘘吐きのはじまり




「香織ちゃんお久!」


陽気に俺は笑顔を作ると、最近つけたらしい中国製っぽいエクステが揺れて、香織の安物の香水の臭いがぷわーんと鼻をつっつく。



臭いよ。あんまり寄らないでくれるか?


俺の心の声を鮮やかに無視すると、香織は俺の手を引っぱり、「焼き肉定食おごってよー」と言い出した。


「やだ」


「なんで?バイトしてるじゃん!」


なんでお前なんかにおごらなきゃなんねーんだと、思わず言葉が出てきそうだったが、無理矢理飲み込んだ


「香織ちゃん!俺が奢ってやってもいいけど!?」

隣にいた秋山が 是非是非おごらしてください という顔で香織に近づくと「あんたちょっと臭いんだけど」と香織にあしらわれた。



いやいや、それはこっちのセリフですよ。