愛海、休憩を挟もうか。君はもう解っているんだろう。


俺はしゃがみこみ、愛海の白い肌を無視して靴ひもへと手をかける。
それに反応して、少しだけスニーカーはざざっと後ろに引く。



「大丈夫。ありがと。自分でするから」



今度は愛海がしゃがみこみ、目線が近くなる、ようだ。
俺はまだ、次々と靴ひもが治療されてく過程を眺めている。


愛海は何かを待つかのように、ゆっくりと、下手くそに、靴ひもを編んでいく。


ああ、また失敗した。俺がしたほうが、ずっと早く全部終わるのに。