久しぶり。愛海がごく普通に放った。


再び会った時、どのような表情かあれほど気になっていた俺が、今、愛海の顔をあまりよく見ていない。



いつもよく二人で帰った並木道、ゆらゆらと木々が奮い立ち、再会を無駄に盛り上げる。

葉が散り、俺と愛海を無視して舞う。


決して美しくない景色、でも気だるくはない。中くらい。



後ろから落ち着いて前をいく愛海を追いかける。愛海は歩いた道を引き返すわけでもなく、俺を静かに待つ。



愛海の白いシンプルなスニーカーが目に入る。気づいているのか、いないのか、片方だけ靴ひもがダレている。