華奢なパイプいすに浅く腰掛け、深い溜め息つく。
タバコを吸うときみたいに、独特の空気を作り出す。
どうしたの?大丈夫?
当たり前にいつもの薄い薄い心配は飛び交ってこない。なぜか安心する。
俺の言葉に、みんなの空気は懸かってないのだから。
ただ、・・・やっぱり一つ心残りがある。
大好きになりかけたバスケを辞めても、苦しかった勉強も、毎晩貯めた嘘と格闘することから降りても、どうしても確かめたいことがあった。
彼女がもう一度俺に振り向いてくれるとは思わない。でも、暖かい言葉を、嘘でもいい、今度は彼女の口から聞きたかった。