室内なのに、大きな風はふく。
俺の知らないところでぴゅうぴゅうと寒い風がふき、周りの世界は変わった。
たくさんの人々が賑わう学食の机とにらめっこ。
独りぼっち。誰も俺に話しかけてはこない。
机は昔の俺を作り出す。ああ、どんな顔してたっけ。頭では思い浮かぶけれど、俺は綺麗な顔をしたままだ。
そのあまりにも完全すぎる姿に寒気がした。結局、何も手に入れることのできなかった自分に寒気がした。
あの醜い姿が酷く愛しい。
いや、醜いのは今と昔、どっちだ?
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