泥棒は嘘吐きのはじまり




自分でも気付かない感情が生まれ、俺の嘘を蝕んでいた。
僅かな隙からどんどんと隙間へと広げていき、やがて大きな風穴になった。


初めての感情に甘えを見せて、結果討ち取られた。



でもこの感情は紛れもなく純粋だった。
ずっと心の中で宿ってほしいくらい、大好きで、手放したくない想い。



ガタガタと崩れ落ち、もう掴まるものもない。


ただずっと傍にいてほしかったのかもしれない。
この嘘がバレなければ―――
ではなく、嘘を詮索さえしてほしくなかったのかもしれない。


油断とは随分と違う形だ。淡い心が、ネジを緩ませていた。