泥棒は嘘吐きのはじまり




やがて玄関扉はバタンと開きバタンと閉まった。ほんの一瞬だった。


独りぼっち。あの頃と同じ独りぼっちになった。重くのしかかっていた荷物と思っていたものは、ちゃんと俺を支えていたことに気づかされる。



涙が流れる。涙ぐむという過程を無視して、勝手に、静かに涙が流れ続ける。



長い間ついてきた嘘。とてつもなく大きな嘘はやがて形を変え、日常に潜んでいた。
なのに、原型はやはり失っていなかったのだ。
『真実』を見抜かれてしまえばもう何もかも無駄になり、俺を殺していく。