泥棒は嘘吐きのはじまり




コポポっ・・・


並べた2つ分のティーカップ。寂しげな2つ分。


無情に注ぐ音が響き、力ない俺に考える時間を与える。


ここからは愛海は見えない。



いま彼女は何を思い、何を考え、誰と闘っているだろう。

おそらく彼女は俺を知っている。
今までついてきた嘘も、とめどなく作ってきた所作も全て感づいたのだろう。


でなければ、あんな表情にはならない。
酷く見透かしたかのような目。