「えへへ。恭平は優しいね」
そういって愛海は俺に彼女らしく寄り添った。俺がいつ許可をした。
愛海は何もわかっていない。
俺の巨大な嘘も、おおっぴろげにしてみせた大きな溜め息さえもまだ知らない。
別に種明かしの日なんて用意しているわけではない。
むしろこんな日がずっと続けばいいと思っているくらいだった。
だが、最近俺の破壊衝動という名のグラスが悪い意味で満たされていき、満杯になる前に小さな亀裂が入り壊れてしまいそうだった。
いま笑顔で俺にくっつく彼女の頬を、俺の拳でぐちゃぐちゃにしてやりたい、って何度思ったか。


