泥棒は嘘吐きのはじまり




「ごめん!待った!?」


「ううん今きたところだから」


愛海はそういって、ポケットから綺麗に折りたたんだハンカチをとりだした。

それを低い身長を無理して精一杯腕を伸ばすもんだから、「大丈夫」だからと俺は幸せを感じた。


愛海から優しくハンカチを奪うと、ぱっぱっと額の汗を拭ってやる。


「行こっか」


愛海の小さな手を握ると、幾分か『恭平』が消えてしまいそうになった。

まずいまずい。

「どうしたの?」

曖昧な顔だったらしい。セーフ・・・

俺たちは、多くの生徒たちから視線を受ける正門を後にした。