泥棒は嘘吐きのはじまり




さっきまでしゃきっとしていた、切れ長の目も、筋の通った鼻も、甘い笑顔を作る口も、全部ゆるゆるだ。



こんなんじゃだめだろ、俺。もっと徹底しなければ・・・。



誰もいなくなった席を見つめると、業務完了。っといった風に全速力で回転していた思考を停止させた。



これだけ愛情を欲しがる自分が不思議だ。
なのに肝心の人間自体は避けている。


なんとも不思議だ。


嘘を吐き続ける事で、俺に周りに人が集まるならば、俺は喜んで嘘を集めよう。


徹夜で笑いを集め、早朝に格好良さを貪ってやろう。


俺はまだまだ足らない『愛情タンク』が軽くぴちゃぴちゃ音を立てるのを確認すると、近いうちに満腹にしてやると心に約束をした。