「おばちゃん!カツ丼定食ひとつ!」
注文の順番が廻ってきた俺は元気の良い『自分』で金を茶色いカウンターの上に置いた。
注文を受けたカウンターの向こうにいる割烹着を着たおばちゃんたちの姿。
暑苦しい厨房で必死に汗を流し顔もよく覚えていない他人の為に働く姿はなんとも哀れ。もっと自分のために生きませんか?
「はいよー!」
おばちゃんのシミだらけの太い腕から差し出されたプレートに乗せられたカツ丼定食の良い香りが俺の鼻を突き通った。
うん、いい匂い。
俺は受け取った大好物を手に、いつものように俺の仲間たちの座る学食の真ん中の席へと向かった。


