静寂な体育館を包むのはまだ日を浴びない早すぎた『朝』だった。


勝手に名付けた時間。星が見えるとただ満足げに俺は微笑む。



・・・・・・喜びが舞う。




そしてただ一人、ボールを巧みに操る手のひらに集中する



朝シャンをしてセットしてきたせっかくの長い茶髪を汗に濡らし、今日も誰よりもはやく、やや上に位置するあの憎きリングに狙いを定めた。



ふと正面を向くと、自分でもうっとりするような体のラインが体育館に備え付けられた馬鹿でかい鏡に写り込み、集中が少しきれる。



くそっ・・・・・・


いや、このままの姿勢でボールを投げるか。
そうだ。そうしよう。
俺なら必ず成功する。