赤の世界

 
ねぇどうして

俺達は出会いを忘れた?





「話があるんだ」

そう言って楓を呼び出す。

誕生日の日に会った
あのカフェのあの席。

「体調はもういいの?」

楓が俺の顔を覗き込んだ。





あれから変に胸騒ぎがして
体調は悪くないのに
3日間を寝込んで過ごした。

「大丈夫だよ」

本当は不安だったけど
特別告げなかったのは
早く本題に入りたかったから。

楓には聞きたいことが
山のようにあった。

そして出来ることなら全てを
肯定されたかった。





「俺達前にも…」

言葉が絡まる。

うまく喋れないまま
たどたどしく質問を続ける。

「どこかで会った事ないかな?」





なんとか言い終えて楓を見る。

「ぇ…?」

彼女は無垢な目で
ぱちぱちと瞬きをした。