あいつと坊主がしっかり手を握り合って壇上へとやってきた。
たまらないねぇ。
イラッともするけど
なんだか決意に満ちた二人の顔にこっちがのみこまれそうになる。
特に坊主の方は腹くくったみたいな顔しちゃってさ。
ちょっと見込みありそうで
ワクワクするなんて
オレ、バカかもしれないな。
坊主があいつの隣に立って
マイクの前にあいつを誘導する。
相当熱があがっているらしくて
歩くのもやっとに見える。
なのにきっちり歩いてるんだから
無理しちゃって、ほんとにカワイイねぇ。
坊主があいつの耳元で何かしら囁いてその場を離れる。
その姿に黄色い奇声が湧きあがる。
なるほどねぇ。
人気あるのね、あの坊ちゃんも。
そう思いながらマイクの前のあいつを見つめる。
深呼吸。
そのあと、その口がゆっくりと開かれる。
瞬間、会場は一気に静けさを帯びた。



