イジワルなカテキョ ~その距離なくしてもいい?~


舞台がよく見える場所で、オレは壁を背もたれにして寄りかかる。

ここならきっとあいつらからも見える。

オレを探し出して。
オレのために頑張れよ、陽菜子。


「次は2-A、松永・大霜ペアです!!」


体育館中に響くアナウンスに従って、例の二人が姿を見せる。

着慣れないせいか、ドレスの裾に足を取られそうになる陽菜子を必死で支える坊主。


「あぶなっかしーねぇ。

でも、ま、セーフかねぇ」


オレの呟きに、隣の二人がなんとも痛い視線を送ってくる。


「松永、脅したの?」


どういうわけか、大輔の彼女はオレにタメ語を使ってくる。

注意すべきなんだけど、彼女の雰囲気にそれができず、オレは苦笑する。


「嫌な言い方するねぇ。

激送っただけだよ」


そう、あれは激。

激励だよ。

頑張って支えてもらわないと困るからねぇ。


だって、あそこに立っているのは『オレ』の『陽菜子』なんだから。