言えなかった。





どうしようもなく、悔しくて、苦しくて、憎くて、切なくて、悲しくて、愛しくて。








ようやくわかった自分の気持ちも何もかも。






言葉になんて、できなかった。








いくら目をこすっても。







夢は、覚めない。










だって、これは、紛れもない、現実。











ミーンミーンと。




あたしの代わりにセミたちが泣き叫んでいるかのようだった。







もう二度と開けることのない生徒会室の扉に背を向けて。








あたしは学校を後にした。









この日の最高気温は38℃。






いつの間にかこぼれ落ちた涙が太陽の熱で蒸発していく。






あたしの心とは裏腹に、ムカつくくらい、太陽が輝く、雲一つない青空だった。