「どしたの彗蓮?いつもみたいに殴りかかってこないの?」 床に座り込んでいる会長を見下ろす形であたしは立ち上がった。 「…今のあんたには殴る価値も何もない」 全部。 全部。 嘘っぱちやったんだから。 「あんたの目的はよう知らんけど、それは果たしたんやろ?そんならもうあたしは必要ないなぁ」 転校初日から。 会長に腕につけてもらった腕章を外し、窓の外に投げ出した。