ミンミンと、セミが鳴く暑い夏の日。 汗だくになりながら走った。 悪い予感を、心当たりを、一刻も早くこの胸から消し去りたくて。 「はぁ…っ、はぁ…っ!」 見慣れた生徒会室。 静かに扉を開けた。 「…か…会長……」 「ん?あれ?彗蓮?何したのそんなに汗だくで。補習は?まさかサボリ?」 いつもと変わらない飄々とした会長。 やっぱりこれはあたしの悪い妄想や。 …けど。