「中谷さんの席は一番後ろの窓側ね」
一番後ろ…。
なんや席2つ空いてるんやけど。
まぁええか。
どかっと席につくあたし。
…転校生ってこんなもんなんやな。
誰も興味を示そうとせぇへんし。
キーンコーンカーンコーン。
チャイムが鳴り、クラスのほとんどがみんな廊下に出てってしまった。
次、なんか教室移動でもあんのか?
「ごめんねー中谷さんっ。転校初日なのにみんなリアクション薄くてー」
へ!?
そう話しかけてきたのはあたしの前の席の…。
えっとー確か…。
「あ。私、中原 百合子(ナカハラ ユリコ)。みんな百合って呼ぶから中谷さんもそう呼んで?」
「うん。よろしく。あたしのことも彗蓮でええよ。ほんで…なんかあるん?みんな教室出てったで?」
あたしの質問に百合は苦笑いで答えた。