「穴、掘る?」 「へっ!?」 「途中から、声に出ちゃってたよ。」 最悪だ~。恥ずかしすぎる。 「ねぇ、手、出して?」 そう言って、彼が私の手を取る。 「わあぁっ!」 開いた手の中には、ゴキブリ、 のおもちゃだ。 さっき私があげたやつ。 「お返し~♪」 「…うわ~ん!」 涙が出てきた。 悔しいのか、恥ずかしいのか、もう何だかわからない。 たぶん、全部ごちゃ混ぜの涙。 でも、その中には、うれし涙も混ざっていたと思う。 彼の笑顔がとてもまぶしかった。