私は考えた。 どうやったら彼を笑顔にできるのか。 17歳の、まだまだ未完成の足りない頭で、一生懸命に。 心から、彼を笑顔にしてあげたいと思った。 幸せにしてあげたいと思った。 「これ、あげる。」 そう言って私はポケットからある物を取り出した。 「はい。」 そして、彼の手にそれを握らせた。 「うわっ!!」 彼の手から飛び出してきたもの。 おもちゃのゴキブリだ。