とっておきの唄



あと一歩、一歩踏み出してしまえば、もう私は卒業する



そう思うと、今まで通ったこの学校がどうしようもなく愛しくなった。



すると、拍手を一際大きくする先生が私にとっておきのエールを贈った。



「卒業、おめでとう」


―――――――ありがとう

ありきたりなフレーズが私を救った

別れじゃないと気づかされた

この一歩は旅立ちへと続くのだと...