差し出されていた手をエリザベスは両手で掴み、天使に言いました。

「天使様。えんまさまのためにチョコのお菓子を、用意したいの。」

くりくりのお目めには涙を溜めて、首をこてんと傾けて聞いています。

「チョコのお菓子?どうしてだい?」

クスクスと笑いながら天使は聞きました。

「あたしが、死んだ日はバレンタインデーなの。バレンタインデーにはチョコを、ありがとうの気持ちと、一緒に渡すの。」

エリザベスは一所懸命説明しました。