そこにいたのは 頭を深々とさげた彼。 でも、もう、遅いから。 好きにはならないから。 「姫、ごめんなさい。 荷物がなかなか こちらにとどかなくて 姫に持っていくはずの 荷物が遅れてしまったのです。」 (わたしは荷物なんて 頼んでないわ。 帰ってよ。) 彼はやっぱり 優しく微笑む。 「姫、とりあえずもらってください。」 そういって足元に 大きな水色の箱を おいて、帰ってしまった。 (なんなの。) しばらくそのまま 放置した。