「ねぇ…」


「あっそうだ…忘れてた」



いいムードだったのに
司馬はポケットを探り出す。



(「やっぱり司馬チャン鈍感。でも観覧車でキスていう夢は叶ったし…まっいっか」)


「久美ちゃん」


「何?司馬チャン」


「これプレゼント…誕生日の」



司馬はリボンで包まれた
小さな箱を久美子に渡した。



「あ…」


「久美ちゃん、17歳おめでとう」


「ありがとう。司馬チャン」



中身はシンプルな
ネックレスだった。