雅也はカルテを挟んであるファイルで久美子の頭を軽く叩いた。



「痛っ何すんのよ……あっマシャ何でここにいるの!?」


「俺は西江さんの主治医だ。それより久美子、何なんだよ。俺が居ないと思って色々言いやがって」


「久美ちゃんの勝手でしょ」


「はいはい。分かりました。だからもう帰れ」


「はいはい。行きますよ〜だ。それじゃ麻里ちゃん、お大事にね」



久美子は麻里の病室を出る。
その直後に有坂も出て来た。



「久美子ちゃん、帰んの?」


「有坂君は?」


「用事あるから帰るけど」


「そっか…私はちょっと寄る所があるからまだここにいるよ」


「んじゃまた」


「バイバイ」



それから久美子は
様子を見るだけと思って
外科医局へ向かった。