「…邪、魔?」 水谷さんは驚いたような顔をしてオウム返しに言いました。 暫しの沈黙がふたりを包み込みます。 「水谷さん……、」 俯いた顔は、名前を呼べば、ピクリと小さく肩を震わせます。 嗚呼、少し、少しだけ、言い過ぎたのかもしれません。 そう、思ったときでした。